愉しいかそうでないか
青空に浮く雲 大風に吸われ 空翠
この句の前に次の和歌は如何でしょうか
塚本邦雄の十二神将変に出てくるものです
さる歌合での二首 左東子のは鴨跖草(つきくさ) 空水のは海芋(かいう)のもので
恋の道この園に尽き鎖もて縛めらるるかに春を経し 左東子
空ゆくは恋のなごりか有限の言葉もつるる草かがの水 空水
というものですが このままでは 多分 解らないでしょうが 塚本邦雄の作品が旧漢字の旧仮名づかいであるのを考えて それぞれをよく読んでみると どちらにも 鴨跖草も海芋も読み込まれているのが解るでしょう
作者が作ったものだから 当然といえば当然なんですが 和歌にも俳句にもこうした言葉の遊びが沢山あるのではないでしょうか
そこで 最初の句ですが 何か感じるものはありますか
巡る季(とき)風景狂うてござるか
では如何でしょうか
